【物語】青い空は春風とともに 前編

風を全身で受けるように両手を広げる。耳を澄ますとさわさわと草や葉っぱが身をこする音を感じた。目を開けるとまばらに広がる雲と隙間から見える青いコントラストが何とも言えず、ただ見上げていた。ときたま差し込む太陽に陽が肌を熱くさせる。その心地よい暖かさが春の始まりを告げていた。 視点を上から下へと移動させ…