【物語】「最後の一日をもう一度だけ」 奇跡はもういらない、私が奇跡になる

「なっちゃん、置いてちゃうよ」 ゆいはそういうとたったったっと走り出した。 「待ちなさいよ、ゆい」 私もそういって走り出す。 二人して走る放課後のろうかは静かでまるで二人だけの世界みたいだった。 窓から差し込む夕焼けは私たちの影を伸ばし、いっそうセンチメンタルな気持ちにさせた。 かけっこは結局、校門まで…