静かな世界に響く、一つの音

自分の趣味全開で書いていく、そんなブログです。

【感想】ボタンを押す楽しさを教えてくれた「リズム天国」

 それは今からさかのぼること十年前

暑い夏の日のことだった。

「あちー」

うだるような暑さの中、商店街を歩いていた。

上はアーケード仕様になっていて直射日光を浴びることは無かったが、それでも体感気温三十度は超えているだろう。

拭いても拭いても止まることを知らない雫の数々。

目的もなく歩いていた、そんな中ゲームショップを見つける。

確かここでゲームを買ったこともあったなを思いながら吸い込まれるように中に入っていった。

自動ドアが開くと冷気があふれ出るように流れてきた。

「涼しい……」

そこは外から入ってきた人を優しく出迎える、砂漠の中にあるオアシスもしくは疲れ切ってやっとのことでたどり着いたベッドのように感じられた。

ずらーっと並ぶ新作ソフトから旧作の中古ソフトまであり見るものを飽きさせない。

特に買うために入ってきたわけではなかったが、そこらじゅうに並んでいるソフトを眺めるように歩いていく。

 

運命の出会い

すると通路の途中に試遊台があるのを見つけた。

近づいて見てみると今度発売されるソフトの体験版らしい。

名前は「リズム天国」、リズム感ゼロの自分が出来るだろうかと思いながら隣に置いてあったヘッドホンを装着しスタートボタンを押した。

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画面に説明が表示される。

<リズムに合わせてボタンを押してね>

「?」

(それだけ? それだけで説明おわり? 大丈夫なの?)

疑問は尽きなかったが画面が切り替わり、カラテ家が現れた。

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そしてちょっとしたデモンストレーションが流れる。

画面手前からモノが飛んできて、ちょうどカラテ家の目の前に来たときそれをパンチする。

(そうか、わかったぞ。飛んできたものをタイミングよく打ち返していけばいいわけだ)

内容がわかったところでデモンストレーションが終わり、自分が操作する番がきた。

しかし、見るのと実際にやるのとでは全然違うということに気づかされた。

さっきまで目の前に迫りくる物体を華麗に打ち返していたカラテ家の姿はそこにはなかった。

あるのは見事に空振りするリズムはずれなカラテ家だった。

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(……ばかな。さっきの映像と全く違うじゃないか)

心に火が付いた、ゲーマの名に懸けて全部打ち返してやる、そう心に決め、リプレイする。

<ヒュン(来る音)・スカッ(ミスした音)・ヒュン・ピョン(さっきよりタイミング良いけどまだまだ)・ヒュン・スカッ(また遠ざかっていった)・……>

「……」

何回やっても一個も当らない。

そんな現実を目の前に早くも心が折れそうになる。

そこで思い出す、これはリズムゲームだと。

(目で追いかけてタイミングをつかもうとしていた。だけど違うんだ、リズムということは音楽に合わせて飛んできていることになる。なら目ではなく耳でタイミングを取れということか……)

当たり前の事実に今頃気づく。

トン、トン、トンと音楽に合わせ、リズムと体でとる。

(当たった!)

それはゲームを始めてからゲームらしいことを出来た初めてのことだった。

そこからは慣れたもので、当たる確率が高くなっていった。

ミスしたとき悔しいのはもちろんだが当たったときの快感がそれを上回った。

音と映像とともにバシッっと決まるとそれだけでうれしくなった。

この体験版をプレイしてゲームの購入を決めたのだった。

最後に

今まで興味のなかったジャンルをいともたやすく引き込んだ、このゲームに感謝したい。

その魅力は簡単な操作でシビアなリズムというギャップが生んだのではないかと思う。

この面白さは全国各地で伝わり、売り切れが続出した。

その後シリーズとなり、DS,Wii,3DSで発売されることになる。

ただ、DSのゴールドではタッチを使った操作であまり合ってないように感じた。

自分が楽しいと思えた理由は簡単操作とそれによって起きるリアクションがあったからだ。

リズム天国とタッチの相性はあまり良くなかった。

手間が二つや三つに増えて、爽快感がかき消されてしまった。

次回作のWiiではボタンによる操作に戻っていた。

映像や操作に凝ってなくても十分に面白いものを作れるということを教えてくれたゲームだった。